ジャコウアゲハのいる庭で

 

クラインガルテンは、ラウベと呼ばれる小屋が50件ほどあって

 

まわりは、林や田畑が広がっている

 

そこで出会う生き物たちがいる

ジャコウアゲハが舞う庭で

 

この庭には、たくさんのジャコウアゲハが生きている


この黒いアゲハ蝶はとても幻想的で、ゆっくりとヒラヒラと庭を飛びまわっている

 

この写真はメスが、ウマノスズクサという毒のある植物に卵を産みつけているところ

 

目の前に飛んできて、産卵を間近で見せてくれた

 

幼虫は、あえて毒があるこの葉を食べて育つ

 

その毒を体内に取り込むことで、外敵に食べられにくくなり身を守る

 そして蛹を経て、その毒は解毒され、美しい黒い羽を持つ蝶へと生まれ変わる

 

毒をあえて取り入れることで自分を守り、そして蝶となるときには毒を手放して、美しく軽やかな姿へと変容する

 

人に例えるなら

苦しみやトラウマを自分の成長する力として使い、それを昇華させて、軽やかに生まれ変わる

と言えるのでは

 

古くから蝶は”魂の使い” ”あの世からの使者”と言われ

特にジャコウアゲハは、じゃこうの香りをもち、ゆっくりと舞う姿に「死と再生」「魂の移行」という神秘的な象徴を宿しているそう

 

ここにある庭は、再生する力に満ちている

幼虫に必要なウマノスズクサもたくさん育ち、成虫に必要なさまざまな花がある

 

彼らは、10月ごろまで3〜4世代と生まれ変わりながら、庭にいる

 

「魂の旅」を象徴する彼らのいる庭で1年を過ごせるなんて

ありがたいことだ

 

庭で時を重ねていくことで

まだDNAの中で眠っている種が自然と目を覚ましていく

ここで過ごす時間そのものが、変容を促す

新しい体験は大きな意味を持つ

 

ジャコウアゲハとともに過ごす1年だ

 


キジって本当にいるんだ

 

静かなクラインガルテンのまわりを ゆっくりと歩いていた

 

突然

「ゲェーケェー!!」という濁った大きな鳴き声

バサバサッっと草むらが揺れて、何事!!っとビビる

 

息を呑んで、音の方向を見ると

2羽のキジが飛び立った

 

メスは周りの枯れ草と同じ茶色

オスは驚くほどカラフルで、赤い顔に、青く輝く首をしていた

 

鶏ぐらいの大きさが飛ぶのだから

それはそれは、重そうに飛んでいった

 

「本当に、野生のキジっているんだ」と、まるで都会っ子のような気持ちになったよ